世界冒険のメモ

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ウルムチで見聞きしたウイグル族の本音 ~意外と閉鎖的なウイグル族や彼らの民族意識について~

こんにちは。

 

前回は垣間見えた漢民族の本音について少し書きましたが、逆に、ウイグル族はどのような感じなのでしょう。

 

私が感じたことよりも、実際彼らが言っていたことを中心に書いてみました。

 

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ウイグル族とは

もし、外国人の立場として「ウイグル族はどんな民族?」と聞いたら、恐らく彼らは「おもてなし好き、歌うこと踊ることが大好き」などと答えるのではないかと思います。

 

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彼らのおもてなしについては以前書きましたが、彼らは音楽を聴くと歌ったり踊りだしたくなる民族です。

 

一つ、私のお気に入りの曲を紹介します。

 

これはロシア語で歌われているので、彼らは中央アジアで活躍してるのだと思いますが、このメロディはとても「ウイグル的」です。

 

Амк Восток,Шухрат Якубов - Изикара - YouTube

 

 

ウイグル族は、親戚が集まった場や結婚式では最後に皆が踊りますし、週末の広場で人が集まって皆が皆思いのまま踊っていたりもします。

 

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カシュガルでの結婚式 

 

ウルムチのクラブ*1ウイグル語や新疆の歌が流れると、チャラそうなウイグル族のお姉さん達が一気に民族舞踊を踊り出した時は目を見張りました(笑)もちろんとても素晴らしい踊りでした。

 

彼らは民族として、またイスラム教徒としてのアイデンティティにとても誇りを持っています。

 

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ウイグル族漢民族をどう思っているか?

 

少し新疆に暮らしていて気付いたことですが、ウイグル族の特性として、彼らはなかなか「村気質」を持つ民族に感じました。

 

「おもてなしの文化」があり、お客さんに対してのハードルは低いし、外国人に対しても、日本人とは違い、隠さず好奇心を持って接して来ます。

 

ところが、彼らだけのコミュニティは閉鎖的、そして他の民族に対しては排他的です。

 

例えば、皆さんもある程度想像がつくかもしれませんが、ウイグル族のタクシー運転手は、私が日本人だとわかると割と高確率で漢民族の愚痴を話し出します。「一つの国として独立したい」と言う極端なものはほぼなく、もっと「漢民族のこういう所が良くない、ああいう所が良くない」と言う、何だかおばちゃんの愚痴のようなトーンです。

 

ウイグル族ムスリムなので、熱心なイスラム教徒になると「彼らはまず豚を食べている、だから良くない」などと、宗教的観点に基づいた基準から話は展開していくこともあります。

 

また、もっと漢民族嫌いなタクシー運転手の場合、「お前はウイグル族だと思ったから止めた。漢民族なら乗せない」と言う人もいます。

 

 これらは私が個人的に体験したもので、ウイグル族全体の意見を代表している訳ではありません。しかし、このような意見が多かったのも事実です。

 

ウイグル族漢民族以外(回族)に対してどう思っているか?

 

しかし、ウイグル族漢民族に対してだけでなく、他の民族にも排他的なのです。

 

例えば、ウイグル族は同じイスラム教徒の回族に対してもこのような調子です。

 

「新疆が中国に組み込まれる時(もしくは中国成立の時だったかも知れません)、回族は我々ウイグル族を裏切ったんだ。だから俺達は回族が嫌いだ。

 

あと、奴らは俺達の前では『アッサラームアライクム!*2と言って、宗教が同じことを強調する。それでいて、漢民族の前では帽子を外して*3『同志!』とか何とか言って、回族漢民族は見た目が一緒なことを強調するんだ。

 

大体奴らは自分たちの言葉もないだろ?」

 

 

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一方、欧米に対しては

欧米に対しては、地理的に遠い、新疆に欧米人はほぼいない*4こともあって、あまり利害関係などが発生していないためか、否定的な意見は聞いたことがありません。

 

やや脱線しますが、面白いことに、ウイグル族若い女の子は日本と同じく、欧米系の顔に憧れがあると感じました。

 

カシュガルの友達が、「最近妹が結婚したの~」と言って写真を見せてくれたのですが、その時に「うちの妹は少し外国人っぽいの、ちょっとロシア人に似てる」とすごい嬉しそうに話していました。

 

ウイグル族の危機感、民族意識

 

また、彼らは自分たちの文化がなくなってしまうのではないかと言う危機感もあります。

 

例えば、彼らの言語・ウイグル語です。

 

中国政府の漢化政策の一環で、今はウルムチで、ウイグル語で授業を行う学校はなくなってしまいました。*5

 

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彼ら曰く、「中国政府の宣伝がすごくうまかった。バイリンガルとして中国語をマスターすれば就職など色々な機会も増え、ウイグル族にとってプラスになると謳っていた。だから大人も皆支持したんだ。でも、始まってみて皆違うと気付いた。先生も生徒も全員ウイグル族なのに道徳科、自然科も全て中国語。それで勉強が嫌いになる子供が多いから、留学が多いんだよ。」とのことです。

 

 

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私は新疆へ行った当初は、もちろんウイグル語など一言も知りませんでした。しかし、ウイグル族親日であり、陽気で明るい民族だと聞いていたので交流をとても楽しみにしていました。絶対に仲良くなれる自信もありました(笑)

 

ところが、私がウイグル族の経営する商店に買い物に行くと、対応がやたら冷たいのです。「塩対応」どころではありません。「聞いていた話と違うなぁ…怖い」と思いました。

 

仲良くなったウイグル族にこの話をしてみたところ、どうやら私は「民考汉(ミンカオハン)」と間違われていると言うのです。

 

「民考汉」とは、この場合ウイグル族でありながら中国語の学校を出たため、ウイグル語の読み書きがあまり出来ない人たちです。中国の内地へ行った場合などは、読み書きに加えて、話すウイグル語も上手ではない人もいます。

 

この話を聞いて即座に「私はウイグル族ではありません、私は日本人です*6」と言うフレーズを教えてもらいました。必要に迫られ、「こんにちは」よりも先にこのフレーズを覚えることになりました。

 

また、外で偶然中国語を話していたところを聞かれ、ウイグル族の老人に「母語をしっかり話せ!」と叱責されたこともあります(笑)

 

この話を日本にいる友達にしても笑われるばかりで、なおかつ「ウイグル族に間違われて困る」などと言う共通の悩みを持つ人もいなかったため、結構困りました。

 

逆に、漢民族の店へ入ろうとすると店員さんに「ここはハラール*7のレストランじゃないけど、大丈夫なの??」と心配してもらったり、良いこと(?)もありました。

 

たまにウルムチへ戻った時など、ウイグル商店に入ると当時のことを思い出して未だに緊張してしまいます(笑)それほどまでに、彼らの「民考汉」に対する態度は冷たかったのです。それにはきっと彼らの文化がなくなってしまうのではないかと言う危機感や民族意識もあったのだと思います。

 

もちろん、前回の漢民族の話も含め、あくまでコンセンサスと言うか、個人対個人として接した時はこのようなことは話にも出ません。大学院でも教室内で、漢民族ウイグル族の中が悪いと言うことはもちろんありません。

 

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*1:Feel City3

*2:イスラム教徒同士の挨拶』

*3:ムスリムである回族は白い帽子を被っていることが多い

*4:ロシア人はいます

*5:南疆にはまだあるかも知れません

*6:Men Uyghur emes,Men Yaponluq)

*7:イスラム教の教えに基づいた調理法や食材が使われている